揺るぎのない愛と届かない気持ち
「東吾が紗英さんを思う気持ちに、
私は焦ったの。
時々、自分でもセーブできなくって、
気持ちの蓋を開けてしまっていたわ。
紗英さんに会わせてって言っても、
東吾は会わせてくれなかった。
きっと、
私が元カノということがネックだったのかな、、、
って。
東吾はいつでもいつでも
紗英さんの惚気ばかり、、、
幸せそうな顔をして、
紗英さんのことを話す。
私と付き合っている時は、
そんな顔一度も見せてくれたこともなかったのに。
紗英さんからの電話に出た東吾の声も、
知らない人のように、優しかった。
何より、紗英さんを優先させていた。
何が違うのよ。
私と紗英さんと。。。
それで、
強引に結婚式から披露宴まで
出席させてもらったのよ。
東吾の紗英さんを見たくって。」
俺は長内を式に呼ぶのを躊躇った。
あんなに友達だと言いながら、
どこかで紗英に後ろめたい気持ちを
抱いていたのかもしれない。
「そこで、俺と長内のことを噂されて、
偶然に紗英は俺たちのことを知ったらしい。
その後、長内が俺のことを、、、」
「そうね、東吾のこと私は知っているのよって、
嫌な感じで言っちゃったから。
そんな話を聞いた後じゃ、
彼女も私に対して好意的にならないわね。
結婚しても私たちの友情は続くって、
思い込んで、飲みに行ったり食事に行ったりしたけど、
東吾は紗英が待っているからって、
断ることも多くなった。
私も気づけばよかったのよ。
私たちの危うい友情なんて、
どこにもなかったんだって。
東吾から別れを切り出されたときに、
全てが終わっていて、
東吾の隣に私の席なんかなかったって。」
「俺がいけなかった。
気持ちがないのに、長内と付き合って、
俺のわがままで終わらせて、そんな風だったから
長内に申し訳なくって、、、」
「東吾の罪の意識を利用したのは私よ。
頑張って友人に徹しようと思っていたけど、
結婚式でのあなたたちを見ていたら、
胸の中に黒いシミがどんどんと広がって、、、
蓋が開いてしまったの。」
長内は俺に話しているというより、
時系列で自分の気持ちを独り言のように
言っているようだった。
「でもね、それでも東吾のことはもう
諦めなくてはって思っていたの。
私がどう足掻こうとも、
東吾の紗英さんへの気持ちは
揺らぎそうもなかったから。
それで、別れてはくっついたりを
繰り返していた幼馴染との結婚を決めたのよ。
彼は東吾への私の思いも知っていたし、
その思いを引きずっていて、
彼との結婚に踏み切れない、私の思いも知っていた。
だから、
とうとう自分の気持ちに見切りをつけて、
彼と結婚することにしたの。
優しい子だし、親同士も仲がよくって、
周りもみんなやっと結婚するかって、
祝福してくれた。」
優しそうで少し線の細そうな、長内の婚約者の顔を思い浮かべた。
そうか
彼は長内のことを何もかも知っていて、結婚しようと思っていたのか。
「なのに、、、」
長内が真っ直ぐに俺に目を向けて言った。
「紗英さんが妊娠したあたりから、おかしくなったのよ。
東吾が。
子供ができて嬉しいはずなのに、
東吾はどことなく浮かない顔をするようになった。
妊娠を喜んでいない?
でも、
東吾はいつもと違って私に何も言わない。」
長内は何でこんなに俺のことをよく見ているのだろうか。
私は焦ったの。
時々、自分でもセーブできなくって、
気持ちの蓋を開けてしまっていたわ。
紗英さんに会わせてって言っても、
東吾は会わせてくれなかった。
きっと、
私が元カノということがネックだったのかな、、、
って。
東吾はいつでもいつでも
紗英さんの惚気ばかり、、、
幸せそうな顔をして、
紗英さんのことを話す。
私と付き合っている時は、
そんな顔一度も見せてくれたこともなかったのに。
紗英さんからの電話に出た東吾の声も、
知らない人のように、優しかった。
何より、紗英さんを優先させていた。
何が違うのよ。
私と紗英さんと。。。
それで、
強引に結婚式から披露宴まで
出席させてもらったのよ。
東吾の紗英さんを見たくって。」
俺は長内を式に呼ぶのを躊躇った。
あんなに友達だと言いながら、
どこかで紗英に後ろめたい気持ちを
抱いていたのかもしれない。
「そこで、俺と長内のことを噂されて、
偶然に紗英は俺たちのことを知ったらしい。
その後、長内が俺のことを、、、」
「そうね、東吾のこと私は知っているのよって、
嫌な感じで言っちゃったから。
そんな話を聞いた後じゃ、
彼女も私に対して好意的にならないわね。
結婚しても私たちの友情は続くって、
思い込んで、飲みに行ったり食事に行ったりしたけど、
東吾は紗英が待っているからって、
断ることも多くなった。
私も気づけばよかったのよ。
私たちの危うい友情なんて、
どこにもなかったんだって。
東吾から別れを切り出されたときに、
全てが終わっていて、
東吾の隣に私の席なんかなかったって。」
「俺がいけなかった。
気持ちがないのに、長内と付き合って、
俺のわがままで終わらせて、そんな風だったから
長内に申し訳なくって、、、」
「東吾の罪の意識を利用したのは私よ。
頑張って友人に徹しようと思っていたけど、
結婚式でのあなたたちを見ていたら、
胸の中に黒いシミがどんどんと広がって、、、
蓋が開いてしまったの。」
長内は俺に話しているというより、
時系列で自分の気持ちを独り言のように
言っているようだった。
「でもね、それでも東吾のことはもう
諦めなくてはって思っていたの。
私がどう足掻こうとも、
東吾の紗英さんへの気持ちは
揺らぎそうもなかったから。
それで、別れてはくっついたりを
繰り返していた幼馴染との結婚を決めたのよ。
彼は東吾への私の思いも知っていたし、
その思いを引きずっていて、
彼との結婚に踏み切れない、私の思いも知っていた。
だから、
とうとう自分の気持ちに見切りをつけて、
彼と結婚することにしたの。
優しい子だし、親同士も仲がよくって、
周りもみんなやっと結婚するかって、
祝福してくれた。」
優しそうで少し線の細そうな、長内の婚約者の顔を思い浮かべた。
そうか
彼は長内のことを何もかも知っていて、結婚しようと思っていたのか。
「なのに、、、」
長内が真っ直ぐに俺に目を向けて言った。
「紗英さんが妊娠したあたりから、おかしくなったのよ。
東吾が。
子供ができて嬉しいはずなのに、
東吾はどことなく浮かない顔をするようになった。
妊娠を喜んでいない?
でも、
東吾はいつもと違って私に何も言わない。」
長内は何でこんなに俺のことをよく見ているのだろうか。