揺るぎのない愛と届かない気持ち
「ここで思いとどまればよかったのに、、、
どうせ縁を切られるのなら
自分の思いを遂げて別れようと思ったのよ。」
「どういうことだ。」
「紗英さんが実家に帰っていることは
東吾から聞いて知っていた。
私が彼とうまくいっていないと言って、
東吾を誘った。
飲んで飲んで、わざと終電を見送った。
ひとりにするのも、
何をしでかすかわからないと
東吾に危機感を持たせた。
東吾のマンションに行って、
東吾が和室に布団を敷いている間に
二人の寝室に入って、服を脱ぎ始めた。。。」
「長内、、、あれは全部お前の、、、」
「そう。
酔っ払っていたけど、これを実行するって、
芯は覚めていたわね。
東吾ともつれあって、キスを仕掛けて、、、
東吾ものってきたから
このまま、あの時のように抱き合いたい。。。
なのに
東吾は我に帰ったように、急に覚めて、
身体も一気に体温が下がって、、、
あぁ、だめだった、、、て。」
「長内、、、俺がそこまでお前を追い詰めたのか。
あの日、きちんと別れなかったから。」
「東吾が馬鹿なだけよ。
私が振り回しただけ。
東吾の気持ちが私にないなんて、
気づいていたのに
私がいつまでも諦めきれなかっただけ。
だから
これが最後だから、、、って。
もし東吾と抱き合っていたら、
それはそれで私はまた引きずっていたでしょうね。」
俺の優しさなんて、なんて軽いんだ。
紗英を苦しめ、長内を苦しめ、
あのビアガーデンの名前も忘れたあの女の子も苦しめ、、、
独りよがりのこんな優しさなんて、、、
「翌朝、起きてものすごく自己嫌悪に陥ったわ。
自分が計画したことは成らず、このまま、東吾とも終わり。
でも
もしかしたら、もう一度迫れば、、、
そこで紗英さん、、、驚いたわね。
でも紗英さんは私たちの向こうで怒り、
私たちはこちらにいる。
東吾は私を庇ってくれている。
どう考えたら、いいんだろう。
この東吾の優しさを、もしかしてもしかして
とも思いながら、
紗英さんにこんなところは見せるはずではなかったって
とても焦って、、、」
「違う。。。
あの時俺は長内を庇っていたんじゃない。
俺は恐ろしいほどの罪の意識に、
一人でいられなかっただけだ。
罪を犯したのは俺だけじゃない、この長内も一緒だ。
って。
紗英に面と向かって、
自分の潔白を申し立てられなかったんだ。」
「そうよね。
前の晩に、もう少しで間違いをしでかすところを、
すんでのところで踏みとどまった、、、なんて。」
そうなんだ。
すんでのところで踏みとどまってはいたが、
俺は許されないことをしていたんだ。
長内を自宅上げ、
長内とベッドの上でもつれあった。
これがいけないことと思わないで
何の感情もなく、流れにのせられた。。。
そこで初めて気づいた。
愛する人に言い訳ができないことを、
俺はしてしまっている。
「誓って言う。
俺は長内を愛しているわけでも、
女として気に入っているわけでも何でもない。
今回のことで、
友達としてもあり得ないとわかった。
俺の罪が一番大きいが、長内の罪もある。
俺が別れてから今まで、
長内に本気にせよ遊びにせよ、性的な関心を持って
お前と付き合ったことはあるか?
ないと俺は言う。
なのに、あの日は易々とすんでのところまで、
流されて行った。
そういう自分が、一番罪が大きくて
信じられない。
なのに、紗英が帰ってきて、、、
なんと申し開きをしていいのか。。。
徹底的に、俺という男が壊れた瞬間だった。」
「紗英さんが現れて、驚いた。
どうしようとと思って、焦りが一番先に出た。
でも
紗英さんの誤解を
うまく利用できるかもしれない。。。
私たちはこういう関係だったのって。
東吾は気づいていなかったかもしれないけど、
私を庇って
私の裸の背中をさすっている東吾の手に、
私は、この夫婦を壊してやるって
思ってしまった。
私も壊れてしまったのね。
だけど、紗英さんが出血して、、、」
「あぁ、、、
紗英にあんな危険なお産をさせたのは俺たちのせいだ。」
「よかった。
無事で、、、」
よかった、、、
それだけか、、、
どうせ縁を切られるのなら
自分の思いを遂げて別れようと思ったのよ。」
「どういうことだ。」
「紗英さんが実家に帰っていることは
東吾から聞いて知っていた。
私が彼とうまくいっていないと言って、
東吾を誘った。
飲んで飲んで、わざと終電を見送った。
ひとりにするのも、
何をしでかすかわからないと
東吾に危機感を持たせた。
東吾のマンションに行って、
東吾が和室に布団を敷いている間に
二人の寝室に入って、服を脱ぎ始めた。。。」
「長内、、、あれは全部お前の、、、」
「そう。
酔っ払っていたけど、これを実行するって、
芯は覚めていたわね。
東吾ともつれあって、キスを仕掛けて、、、
東吾ものってきたから
このまま、あの時のように抱き合いたい。。。
なのに
東吾は我に帰ったように、急に覚めて、
身体も一気に体温が下がって、、、
あぁ、だめだった、、、て。」
「長内、、、俺がそこまでお前を追い詰めたのか。
あの日、きちんと別れなかったから。」
「東吾が馬鹿なだけよ。
私が振り回しただけ。
東吾の気持ちが私にないなんて、
気づいていたのに
私がいつまでも諦めきれなかっただけ。
だから
これが最後だから、、、って。
もし東吾と抱き合っていたら、
それはそれで私はまた引きずっていたでしょうね。」
俺の優しさなんて、なんて軽いんだ。
紗英を苦しめ、長内を苦しめ、
あのビアガーデンの名前も忘れたあの女の子も苦しめ、、、
独りよがりのこんな優しさなんて、、、
「翌朝、起きてものすごく自己嫌悪に陥ったわ。
自分が計画したことは成らず、このまま、東吾とも終わり。
でも
もしかしたら、もう一度迫れば、、、
そこで紗英さん、、、驚いたわね。
でも紗英さんは私たちの向こうで怒り、
私たちはこちらにいる。
東吾は私を庇ってくれている。
どう考えたら、いいんだろう。
この東吾の優しさを、もしかしてもしかして
とも思いながら、
紗英さんにこんなところは見せるはずではなかったって
とても焦って、、、」
「違う。。。
あの時俺は長内を庇っていたんじゃない。
俺は恐ろしいほどの罪の意識に、
一人でいられなかっただけだ。
罪を犯したのは俺だけじゃない、この長内も一緒だ。
って。
紗英に面と向かって、
自分の潔白を申し立てられなかったんだ。」
「そうよね。
前の晩に、もう少しで間違いをしでかすところを、
すんでのところで踏みとどまった、、、なんて。」
そうなんだ。
すんでのところで踏みとどまってはいたが、
俺は許されないことをしていたんだ。
長内を自宅上げ、
長内とベッドの上でもつれあった。
これがいけないことと思わないで
何の感情もなく、流れにのせられた。。。
そこで初めて気づいた。
愛する人に言い訳ができないことを、
俺はしてしまっている。
「誓って言う。
俺は長内を愛しているわけでも、
女として気に入っているわけでも何でもない。
今回のことで、
友達としてもあり得ないとわかった。
俺の罪が一番大きいが、長内の罪もある。
俺が別れてから今まで、
長内に本気にせよ遊びにせよ、性的な関心を持って
お前と付き合ったことはあるか?
ないと俺は言う。
なのに、あの日は易々とすんでのところまで、
流されて行った。
そういう自分が、一番罪が大きくて
信じられない。
なのに、紗英が帰ってきて、、、
なんと申し開きをしていいのか。。。
徹底的に、俺という男が壊れた瞬間だった。」
「紗英さんが現れて、驚いた。
どうしようとと思って、焦りが一番先に出た。
でも
紗英さんの誤解を
うまく利用できるかもしれない。。。
私たちはこういう関係だったのって。
東吾は気づいていなかったかもしれないけど、
私を庇って
私の裸の背中をさすっている東吾の手に、
私は、この夫婦を壊してやるって
思ってしまった。
私も壊れてしまったのね。
だけど、紗英さんが出血して、、、」
「あぁ、、、
紗英にあんな危険なお産をさせたのは俺たちのせいだ。」
「よかった。
無事で、、、」
よかった、、、
それだけか、、、