揺るぎのない愛と届かない気持ち
私は気を取り直して、彼女に言った。
「いえ、私も今しがた来たばかりですから。
どうぞ、お掛けになって。」
我が家のように、彼女に椅子を勧めた。
無表情のまま座ると、そのまま外に目をやって、
沈黙している。
この部屋から見える景色は、
カフェのオープンテラスから
入って来れないように、
園芸家に手によって、美しさを保ちながら、
樹々が植えられ
プライベートガーデンのような作りの
独立した庭だった。
この庭の美しさから
こちらで小さなウェディングパーティーを
希望するカップルも多かった。
そういう環境で、彼女は何を思っているのか。
「私の実家の住所、どうやってお知りになりました?」
彼女は瞬間、この問いかけに、
何?という顔をしたが
あっと思ったのだろう
「以前、東吾のフットサルのメンバーから
ここが
東吾の恋人の家だって、
教えてもらったことがあって。
用事でお宅の前を車で通りかかった時に。。。」
「それでご存じでいらしたのですね。」
「なんて大きなお家のお嬢様なんだろうって。」
「。。。。。」
「いきなりで申し訳ありません。
大変な出産だったと聞きました。
今日は来ていただいて、大丈夫でしたか?」
「ええ。
ただ、2ヶ月の乳児がいますので、
長居は出来ません。
私にお話しがあるのでしょう?」
私は中々話し出さない長内さんに、
少し苛立ちを覚え始め
催促をするように話しを振った。
「単刀直入にお尋ねします。
どのようなご用件で、
私を呼び出されたのでしょうか。」
直球で尋ねた。
「東吾から、、、いえもう
名前呼びをしてくれるなと
言われましたから
篠原くんから、絶交をされました。
あんな手段を使って、
彼を自分のものにしようとした
報いでしょうか。
それでも
私は彼が好きだった。
嫌いになったことなんて、知り合ってから、
一度もありません。
別にあなたが私から彼を奪ったのではなく、
彼があなたを好きになった、
結婚したいぐらいに好きになったって
わかっていましたけど、
どうして私じゃないのって、
心の中で思っていました。」
長内さんの懺悔が始まるのか、、、?
「お金持ちで、お嬢様で、美人だから、、、
自分の出世の役に立ちそうだから、
あなたを選んだのではないか、、、
凡そ、否定的なことしか想像できませんでした。
だって、
どう考えても私の方が
彼のことを知っているし、
仕事のことも充分に理解している。
私だったら、彼をもっと高めてあげられる。
恋人同士の時もあったのに、、、
あんなお嬢さんに東吾の何がわかる、、、
って。」
長内さんの視線は、ずっと外に向けられたまま、
私を詰るその話は、
感情のない台詞を並べる人形のよう。
まるで一人芝居を見させられているような
気分だった。
「いえ、私も今しがた来たばかりですから。
どうぞ、お掛けになって。」
我が家のように、彼女に椅子を勧めた。
無表情のまま座ると、そのまま外に目をやって、
沈黙している。
この部屋から見える景色は、
カフェのオープンテラスから
入って来れないように、
園芸家に手によって、美しさを保ちながら、
樹々が植えられ
プライベートガーデンのような作りの
独立した庭だった。
この庭の美しさから
こちらで小さなウェディングパーティーを
希望するカップルも多かった。
そういう環境で、彼女は何を思っているのか。
「私の実家の住所、どうやってお知りになりました?」
彼女は瞬間、この問いかけに、
何?という顔をしたが
あっと思ったのだろう
「以前、東吾のフットサルのメンバーから
ここが
東吾の恋人の家だって、
教えてもらったことがあって。
用事でお宅の前を車で通りかかった時に。。。」
「それでご存じでいらしたのですね。」
「なんて大きなお家のお嬢様なんだろうって。」
「。。。。。」
「いきなりで申し訳ありません。
大変な出産だったと聞きました。
今日は来ていただいて、大丈夫でしたか?」
「ええ。
ただ、2ヶ月の乳児がいますので、
長居は出来ません。
私にお話しがあるのでしょう?」
私は中々話し出さない長内さんに、
少し苛立ちを覚え始め
催促をするように話しを振った。
「単刀直入にお尋ねします。
どのようなご用件で、
私を呼び出されたのでしょうか。」
直球で尋ねた。
「東吾から、、、いえもう
名前呼びをしてくれるなと
言われましたから
篠原くんから、絶交をされました。
あんな手段を使って、
彼を自分のものにしようとした
報いでしょうか。
それでも
私は彼が好きだった。
嫌いになったことなんて、知り合ってから、
一度もありません。
別にあなたが私から彼を奪ったのではなく、
彼があなたを好きになった、
結婚したいぐらいに好きになったって
わかっていましたけど、
どうして私じゃないのって、
心の中で思っていました。」
長内さんの懺悔が始まるのか、、、?
「お金持ちで、お嬢様で、美人だから、、、
自分の出世の役に立ちそうだから、
あなたを選んだのではないか、、、
凡そ、否定的なことしか想像できませんでした。
だって、
どう考えても私の方が
彼のことを知っているし、
仕事のことも充分に理解している。
私だったら、彼をもっと高めてあげられる。
恋人同士の時もあったのに、、、
あんなお嬢さんに東吾の何がわかる、、、
って。」
長内さんの視線は、ずっと外に向けられたまま、
私を詰るその話は、
感情のない台詞を並べる人形のよう。
まるで一人芝居を見させられているような
気分だった。