揺るぎのない愛と届かない気持ち
私の東吾 〜長内 薫
入社してすぐの研修で、
東吾と同じチームになった時から
私の心は東吾に持って行かれてしまった。
いい大学を出て大学院も出て、
エリートコースを歩くに違いない彼。
おまけに見てくれもよく、
人に対しても優しい東吾に女の子たちの
関心は集まった。
当たり前だと思ったけど、
私は東吾に対してそんな女の子たちより
頭ひとつ出たかった、、、
ううん、誰よりも彼に私の存在を知らしめたかった。
幸い、フットサルという共通の話題があって
彼に一歩近づくことができた。
仕事の面でも、彼に印象付けるために
頑張って、
できる女、頼れる女の地位を、
築くことができた。
周りの女の子たちを牽制しながら、
東吾と一緒にお昼時間や休憩時間を
取れるようにした、、、
私が頑張って近づいていたのに、
彼は、偶然が積み重なって、
日常になって
そんなもんだ、、、くらいにしか
思わなかったみたいだけど。
こんなに頑張っているのに、
東吾は私の気持ちに
気づいているはずなのに、、
気づかないふりをしていた、、、
もっとも、
当時は東吾が鈍感で私の気持ちに気づいていない、
と思っていたのだけど。
だって、
車の助手席は私の席だったし、
会社帰りに食事を二人でしたり、
飲みに行ったりしていたのに、、、
東吾と手一つ繋いだことがなくって、
本当に会社の同期以外の
何者でもなかったの。
あんなに
プライベートでも一緒だったのに。
私は東吾は本当に鈍感なんだって、
勝手に結論づけた。
付き合っている女性もいないのに、
私に手を出さないなんて、
そう思わない?
それでいつも私たちの仲を揶揄っていた
フットサルのメンバーに頼んで
少し煽ってもらったの。
うまくいったわ。
やっと東吾と恋人同士になれた、、、
夢のような日々だったけど、
彼が私を抱いてくれたのは
片手で数えるくらい
キスも日常ではなかった、、、
なんだかちょっとおかしかったの。
仕事が忙しいのはわかったけど、
私が彼の部屋の合鍵を
もらうことはなかった。
いっそ同棲を持ちかけようって、、、
私だけがお花畑の中にいたの、一人で。
結果
振られちゃって、友達に戻ろうって。
もうショックで頭の中が真っ白になったけど、
自分のプライドを守りたくって、
恋人でいられないなら友達として
ずっと側にいてやる、って決心した。
東吾が、どうしようもない女と遊んでも、
仕方ない人ねって、笑って言いながら
私の胸の中は真っ黒だった。
ちょっと本気になりそうだったら、
そのひとに会わせてって言って
牽制した。
だって、私の東吾よ。
そして
あなた、紗英さんと知り合って、東吾は、、、
私が欲しかった東吾は全て、
あなたに持って行かれた。
胸がかきむしられるほど、辛くって、痛くって、、、
そして、あなたが憎かった。
なんでも持っているのに、
私の東吾まで持っていくのって。。
わかっているの。
東吾が私には小指の先ほども
男女の愛なんて
持っていないってことくらい
でも
私は東吾との、
あの幸せだった恋人時代を
なかったことにすることが
できなかったの。
本当に好きだった、、、
あなたに私の憎しみの矛先を向かわせるのは、
間違っているかもしれないけど
結婚式で見たあなたは、
私が本来いるべきはずの場所にいて、、、
つい
意地悪を言ってしまった。
いいえ
本当のことよ。
私の方が東吾のことをあなたよりも
知っている。
あなたと結婚しても
今までと同じように東吾と付き合っていこうと
思っていたのに
東吾はあなたを大事にしたいと言って、
私からの誘いを断るようになった。
夜にプライベートなことで、
相談の電話も勘弁してくれって、、、
休日に彼を呼び出すなんてもってのほか、、、
これも全部紗英さんが嫌がったからでしょう?
私に東吾を奪られると思った?
私も彼が悩むのは可哀想だから、
随分と遠慮したのよ。
でも
あなたが妊娠して、私の結婚が決まって、、、
もう今しかないって思って、あの日のことになるの。
あなたが帰ってきたのには、驚いたし、
結果大変なお産をさせちゃって
本当に申し訳ないと思っています。
でも
あなたも赤ちゃんも無事で、良かった。
私は彼のことが好き。
彼は私のことなどなんとも思っていない。
わかってはいたけど、今度のことで、
はっきりと言われちゃて
もう、こういう気持ちは忘れなきゃ、
前に進めない。
一旦は東吾やあなたに謝罪して、
全てを捨て去って
やり直すつもりだったけど
この間、
東吾が会社を辞めるって、、、
今まで一緒に働いてきた私に一言もなく、、、
紗英さんが私と一緒に働くのを
嫌がったのかしら?
全てを捨て去ると言いながら、
やっぱり心のどこかで
東吾が側にいるということに安心をしていた。
なのに、
会社を辞めるって。
これからどうするかも教えてくれなかった。
私のせいで辞めるのよね。
東吾と同じチームになった時から
私の心は東吾に持って行かれてしまった。
いい大学を出て大学院も出て、
エリートコースを歩くに違いない彼。
おまけに見てくれもよく、
人に対しても優しい東吾に女の子たちの
関心は集まった。
当たり前だと思ったけど、
私は東吾に対してそんな女の子たちより
頭ひとつ出たかった、、、
ううん、誰よりも彼に私の存在を知らしめたかった。
幸い、フットサルという共通の話題があって
彼に一歩近づくことができた。
仕事の面でも、彼に印象付けるために
頑張って、
できる女、頼れる女の地位を、
築くことができた。
周りの女の子たちを牽制しながら、
東吾と一緒にお昼時間や休憩時間を
取れるようにした、、、
私が頑張って近づいていたのに、
彼は、偶然が積み重なって、
日常になって
そんなもんだ、、、くらいにしか
思わなかったみたいだけど。
こんなに頑張っているのに、
東吾は私の気持ちに
気づいているはずなのに、、
気づかないふりをしていた、、、
もっとも、
当時は東吾が鈍感で私の気持ちに気づいていない、
と思っていたのだけど。
だって、
車の助手席は私の席だったし、
会社帰りに食事を二人でしたり、
飲みに行ったりしていたのに、、、
東吾と手一つ繋いだことがなくって、
本当に会社の同期以外の
何者でもなかったの。
あんなに
プライベートでも一緒だったのに。
私は東吾は本当に鈍感なんだって、
勝手に結論づけた。
付き合っている女性もいないのに、
私に手を出さないなんて、
そう思わない?
それでいつも私たちの仲を揶揄っていた
フットサルのメンバーに頼んで
少し煽ってもらったの。
うまくいったわ。
やっと東吾と恋人同士になれた、、、
夢のような日々だったけど、
彼が私を抱いてくれたのは
片手で数えるくらい
キスも日常ではなかった、、、
なんだかちょっとおかしかったの。
仕事が忙しいのはわかったけど、
私が彼の部屋の合鍵を
もらうことはなかった。
いっそ同棲を持ちかけようって、、、
私だけがお花畑の中にいたの、一人で。
結果
振られちゃって、友達に戻ろうって。
もうショックで頭の中が真っ白になったけど、
自分のプライドを守りたくって、
恋人でいられないなら友達として
ずっと側にいてやる、って決心した。
東吾が、どうしようもない女と遊んでも、
仕方ない人ねって、笑って言いながら
私の胸の中は真っ黒だった。
ちょっと本気になりそうだったら、
そのひとに会わせてって言って
牽制した。
だって、私の東吾よ。
そして
あなた、紗英さんと知り合って、東吾は、、、
私が欲しかった東吾は全て、
あなたに持って行かれた。
胸がかきむしられるほど、辛くって、痛くって、、、
そして、あなたが憎かった。
なんでも持っているのに、
私の東吾まで持っていくのって。。
わかっているの。
東吾が私には小指の先ほども
男女の愛なんて
持っていないってことくらい
でも
私は東吾との、
あの幸せだった恋人時代を
なかったことにすることが
できなかったの。
本当に好きだった、、、
あなたに私の憎しみの矛先を向かわせるのは、
間違っているかもしれないけど
結婚式で見たあなたは、
私が本来いるべきはずの場所にいて、、、
つい
意地悪を言ってしまった。
いいえ
本当のことよ。
私の方が東吾のことをあなたよりも
知っている。
あなたと結婚しても
今までと同じように東吾と付き合っていこうと
思っていたのに
東吾はあなたを大事にしたいと言って、
私からの誘いを断るようになった。
夜にプライベートなことで、
相談の電話も勘弁してくれって、、、
休日に彼を呼び出すなんてもってのほか、、、
これも全部紗英さんが嫌がったからでしょう?
私に東吾を奪られると思った?
私も彼が悩むのは可哀想だから、
随分と遠慮したのよ。
でも
あなたが妊娠して、私の結婚が決まって、、、
もう今しかないって思って、あの日のことになるの。
あなたが帰ってきたのには、驚いたし、
結果大変なお産をさせちゃって
本当に申し訳ないと思っています。
でも
あなたも赤ちゃんも無事で、良かった。
私は彼のことが好き。
彼は私のことなどなんとも思っていない。
わかってはいたけど、今度のことで、
はっきりと言われちゃて
もう、こういう気持ちは忘れなきゃ、
前に進めない。
一旦は東吾やあなたに謝罪して、
全てを捨て去って
やり直すつもりだったけど
この間、
東吾が会社を辞めるって、、、
今まで一緒に働いてきた私に一言もなく、、、
紗英さんが私と一緒に働くのを
嫌がったのかしら?
全てを捨て去ると言いながら、
やっぱり心のどこかで
東吾が側にいるということに安心をしていた。
なのに、
会社を辞めるって。
これからどうするかも教えてくれなかった。
私のせいで辞めるのよね。