揺るぎのない愛と届かない気持ち
東吾さんもお風呂に入りたいと言うので、
ふみさんにお願いして傷口を保護してもらい
不自由な思いをしながらも入って、
気持ちをさっぱりとさせたようだった。
だからと言って
今日のあの衝撃的な出来事で、
私たち二人は穏やかに眠れるはずもなく
悠のベビーコットを挟んで椅子にかけ、
ひそひそと話し出した。
悠はまるでわたしたちの会話が
子守唄かのように、ぐっすりと眠っている。
「俺、どうしたらいいんだろう。
悠を産む時といい、今日のことといい、
紗英を苦しめてばかりだ。」
東吾さんが苦し気に言った。
「元はと言えば自分に非があるって、
東吾さんは言った。
確かに発端はあなたと彼女とのこと。
でも
今日のことは、
長内さんが
自分で自分を追い詰めて行った結果で、
東吾さん一人のせいではないわ。
あなたのことを好きだったとは思うけど、
彼女の好きは身勝手。
人の好きは止められないけど、
彼女の好きは恐ろしい。
これから、彼女がどうするのかが、
とても心配なの。
もし彼女の憎しみが悠に向かってきたら、、、」
「そんなことは絶対にさせない!」
咄嗟に大声を出した東吾さんに驚いたのか、
悠が泣き出した。
「ごめん、悠、、、ごめんな。
お父さん、悠を守りたくって、
お母さんを守りたくって、、、
絶対に守るからな。
自分が死んでも守るから。」
悠を抱き上げて、
あやしながら東吾さんが言う。
彼にとって、
成熟する前の通過点のような長内さんとの付き合いが、
長内さんにとっては人生最大の出会いだった。
じゃぁ、
彼女はなぜ幼馴染からプロポーズに応じたの?
双方のご両親を悲しませてまで、
婚約者の心を踏み躙ったの。
やはり
私は彼女に同情的な気持ちは抱けなかった。
あまりにも
自分本位でわがままではなかろうか。
本当に東吾さんのことを諦めきれずに、
好きが続いていたのなら
婚約を決める前でも、
私と東吾さんが出会う前でも自分の気持ちを
再度言えばよかったのに。
東吾さんから自分に気持ちがないことを、
言われることを恐れて
人の道を外れた立ち回りしか
できなかった彼女。
「紗英は長内のことはもう
考えないでいいから。
俺が殺されても、守る。
自分が盾になるから。」
東吾さんは力強く言ってくれた。
「だから、俺とやり直してくれとは言わない。
今日のことはあの時の続きだ。
本当によく考えて、
紗英が自分で納得した答えを見つけてくれ。
自分の執着心だけで、
紗英に迫ってはいけないって、
今回のことで
俺も肝に銘じた。
でも
本音をいえば、
やっぱり俺のところに帰ってきてほしい。」
私は今日のことで、
あの日の東吾さんと長内さんのことなど
どこかへ飛んでいってしまったのだが、
彼が言うように今日のことは
あの日の続きなのだ。
彼がしてきたことを
、どうやって許していこうか。
傲慢に聞こえるかもしれないが、
許し時を考えてしまう。
私は
もう東吾さんを許している。
ふみさんにお願いして傷口を保護してもらい
不自由な思いをしながらも入って、
気持ちをさっぱりとさせたようだった。
だからと言って
今日のあの衝撃的な出来事で、
私たち二人は穏やかに眠れるはずもなく
悠のベビーコットを挟んで椅子にかけ、
ひそひそと話し出した。
悠はまるでわたしたちの会話が
子守唄かのように、ぐっすりと眠っている。
「俺、どうしたらいいんだろう。
悠を産む時といい、今日のことといい、
紗英を苦しめてばかりだ。」
東吾さんが苦し気に言った。
「元はと言えば自分に非があるって、
東吾さんは言った。
確かに発端はあなたと彼女とのこと。
でも
今日のことは、
長内さんが
自分で自分を追い詰めて行った結果で、
東吾さん一人のせいではないわ。
あなたのことを好きだったとは思うけど、
彼女の好きは身勝手。
人の好きは止められないけど、
彼女の好きは恐ろしい。
これから、彼女がどうするのかが、
とても心配なの。
もし彼女の憎しみが悠に向かってきたら、、、」
「そんなことは絶対にさせない!」
咄嗟に大声を出した東吾さんに驚いたのか、
悠が泣き出した。
「ごめん、悠、、、ごめんな。
お父さん、悠を守りたくって、
お母さんを守りたくって、、、
絶対に守るからな。
自分が死んでも守るから。」
悠を抱き上げて、
あやしながら東吾さんが言う。
彼にとって、
成熟する前の通過点のような長内さんとの付き合いが、
長内さんにとっては人生最大の出会いだった。
じゃぁ、
彼女はなぜ幼馴染からプロポーズに応じたの?
双方のご両親を悲しませてまで、
婚約者の心を踏み躙ったの。
やはり
私は彼女に同情的な気持ちは抱けなかった。
あまりにも
自分本位でわがままではなかろうか。
本当に東吾さんのことを諦めきれずに、
好きが続いていたのなら
婚約を決める前でも、
私と東吾さんが出会う前でも自分の気持ちを
再度言えばよかったのに。
東吾さんから自分に気持ちがないことを、
言われることを恐れて
人の道を外れた立ち回りしか
できなかった彼女。
「紗英は長内のことはもう
考えないでいいから。
俺が殺されても、守る。
自分が盾になるから。」
東吾さんは力強く言ってくれた。
「だから、俺とやり直してくれとは言わない。
今日のことはあの時の続きだ。
本当によく考えて、
紗英が自分で納得した答えを見つけてくれ。
自分の執着心だけで、
紗英に迫ってはいけないって、
今回のことで
俺も肝に銘じた。
でも
本音をいえば、
やっぱり俺のところに帰ってきてほしい。」
私は今日のことで、
あの日の東吾さんと長内さんのことなど
どこかへ飛んでいってしまったのだが、
彼が言うように今日のことは
あの日の続きなのだ。
彼がしてきたことを
、どうやって許していこうか。
傲慢に聞こえるかもしれないが、
許し時を考えてしまう。
私は
もう東吾さんを許している。