きょうだい愛
「……ちゃんとご飯食べてるの?軽すぎて心配なんだけど」
「食べてるよ。……気が向いたときに」
「気が向いたとき……?……結衣」
「ごめんなさい。明日からちゃんと食べます」
ひぃぃ!笑顔を浮かべてるのに目が笑ってない!
ただでさえ怒ると怖いのに、今日はいつにも増して圧が凄いから逆らえないんだよー!一人称まで変わってるのは怖すぎる……。
わたしの返事に満足したおにいちゃんはわたしを抱えたまま出口へ向かい……足で扉を閉めた。
それから近くにあったおっきい箱みたいなやつをこれまた足で扉の前まで動かして、扉が開かないように妨害を施す。完璧だ。
「警察には通報してあるからもうすぐここに来ると思うよ。話はまた後日ってことで話もつけてる。今日はゆっくり休むんだ」
なんという手際の良さ。なんという心遣い。
これ以上好きにさせてどうするの……?ほんとに、なんで、この完璧男子が、毎度毎度、ふられるの??意味わかんない……。