課長と私のほのぼの婚
箱推しのAちゃんは積極的に情報を集めていたが、助清くん一筋の冬美は絶対に認めたくなくて、見てみぬふりをしてきた。
でもやっぱり、噂は本当だったのだ。
「だって、まだ22歳なのに。しかも相手は私より年上の27歳一般女性……なんで事務所が許すの? あり得ないよ」
ファンになって早や5年。デビューからずっと応援してきた大好きな自担が結婚する。しかも匂わせオンナと。悔しい。さみしい。悲しい……この気持ち、言葉にできない。
明日からどうやって生きていけばいいの。
「つらい……会社、やめたい」
「あの、大丈夫ですか」
うずくまる背中に声をかけられた。男の人の声。通用口から出てきたということは、同じ会社の社員だ。
冬美は我に返り、まぶたをごしごしとこする。会社の出入り口で大声で叫び泣きじゃくるなんて、変だと思われてしまう。
「よかったら、ハンカチを使ってください」
「いえ、大丈夫です」
何とか立ち上がり、青いチェックのハンカチを差し出すその人にぺこぺこと頭を下げた。泣き顔を見られたくなくて、その人が誰なのか確かめもせず駅へと向かう。
でもやっぱり、噂は本当だったのだ。
「だって、まだ22歳なのに。しかも相手は私より年上の27歳一般女性……なんで事務所が許すの? あり得ないよ」
ファンになって早や5年。デビューからずっと応援してきた大好きな自担が結婚する。しかも匂わせオンナと。悔しい。さみしい。悲しい……この気持ち、言葉にできない。
明日からどうやって生きていけばいいの。
「つらい……会社、やめたい」
「あの、大丈夫ですか」
うずくまる背中に声をかけられた。男の人の声。通用口から出てきたということは、同じ会社の社員だ。
冬美は我に返り、まぶたをごしごしとこする。会社の出入り口で大声で叫び泣きじゃくるなんて、変だと思われてしまう。
「よかったら、ハンカチを使ってください」
「いえ、大丈夫です」
何とか立ち上がり、青いチェックのハンカチを差し出すその人にぺこぺこと頭を下げた。泣き顔を見られたくなくて、その人が誰なのか確かめもせず駅へと向かう。