私、あなたの何なのでしょう? 10年目の再会は愛の罠


 菜々美の点滴は2時間少々で終わった。
点滴の効果があったのか、菜々美の顔色も随分良くなっている。 

診察が終わった奏佑と一緒に、菜々美は恒三の部屋を訪ねた。


「お祖父様…。少しお時間よろしいでしょうか?」

寄り添う二人を見て、恒三は穏やかな微笑みを浮かべている。

「少しは改善した様だね、体調も、二人の関係も。」

「ご心配おかけしました。」

「これ以上拗れたらどうしようかと思っていたよ。ジジイキューピットは。」

「すみません、お祖父様。」

「この年になると、後悔ばかりだらねえ。
 お前たちには少しでも後悔の少ない人生を歩んで欲しいと思うよ。」



「改めて、菜々美さんに結婚を申し込みました。お許しいただけますか?」

恒三はただ、ニコニコと頷いている。心から嬉しそうだ。




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