私、あなたの何なのでしょう? 10年目の再会は愛の罠
「君って、いい人みたいなのに…。」
「いい人って…まだ、あなたにお会いするの二度目ですよ。」
「あのお堅い菜々美が心を開いてるんだから、いい人だよ。」
「はあ…。」
「男女とか、年齢とか関係なくね。いい人が菜々美の側にいて良かった。」
「失礼ですが、あなたと瀬川のご関係は?」
「う~ん。最近知り合った従兄妹。」
「最近?」
「チョッと訳アリでね。」
「菜々美に何かあったんでしょうか?」
思わず彼女の事が心配になって、前のめりで聞いてしまった。
「君のそういう所が、良いよねえ。」
「はあ…。」
クスクスと要は笑っている。
「君には縁がないだろうけど、我が一族は魑魅魍魎だらけなんだ。」
「お化け屋敷ですか?」
「ハハッ。まさに、そうだよ。」
要は愉快そうに話しているが、とても笑える話では無さそうだ。