私、あなたの何なのでしょう? 10年目の再会は愛の罠


「たいして優秀でもないのに策略が大好きな父と、虚栄心の塊のような母。
 その二人に育てられた娘。怖い家族だぞ~。」

郁也はその声色に、ブルっと震えた。

「菜々美は、そいつらに囲まれちゃってさ。相手にしなくちゃならないんだ。」
「ええっ!」

「君も、彼女を守る一人になって欲しい。」

「守る?その中の一人?」

「何人かメンバーがいるんだ。君もスカウトしておいた方がいいと思って。」


「良く分かりませんが、いち会社員の自分で出来る範囲でなら。」
「助かるよ。彼女に何か変わった事があったら知らせてくれ。」

「鳴尾さん、あなたを信じますが、あなたが彼女を傷つける事は無いですよね。」

「善処する。」



要はその言葉を残して立ち去った。


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