私、あなたの何なのでしょう? 10年目の再会は愛の罠
インテリアのアクセントになる置物や花瓶にするか、
リビングにワンポイント豪華な家具を置いてみるか…。
菜々美はあれこれと迷いながらいくつかのショップを覗いてみた。
つい、会社で扱っている商品にも目が行ってしまう。
『仕事は忘れて、今日は自分の為に何か買いましょう。』
高級な家具もつい見てしまう。値段を見て引いてしまうが、これも目の保養だ。
そんな菜々美の様子を、じっと見ている人物がいるとは気付かないままだった。
結局、何か買おうと思いついただけになってしまった。
商品をあれこれ見ても、これと決められないので帰る事にした。
その日はデパートの地下で食品を買って帰るという、細やかな贅沢にした。
『一人で引っ越し祝いをしなくちゃね。』
これからローンの返済が始まるのだから贅沢は慎めという事なんだろうと、
自分自身に言い聞かせるという休日になった。