私、あなたの何なのでしょう? 10年目の再会は愛の罠
『何で?』
瑠美にはわからない事だらけだ。
亡くなった伯父の忘れ形見だという菜々美が現れてから
父はいつも考え事をしているし、母の機嫌は悪い。
最近は二人して、瑠美が結婚していないのが悪いと言うようになってきた。
兄だって独身なのに、何故、瑠美が叱られるのだろう。
つい先日も、父の為に力のある家と縁組していないのが悪いと言われた。
これまで瑠美が追っかけていた高村誠治程度では両親は喜んでくれないだろう。
結構、あの男は好きだったんだけど…。
それなら、大病院の息子で優秀な医師の脇坂奏佑はどうだろう。
彼ならチョッと年上だけど、お金持ちだし両親も納得してくれる筈。
彼は、あの菜々美とかいう従姉妹が気になってるみたいだ。
負けたくない!
何としてでも、私の結婚相手になってもらわなくちゃ。
この前、高級家具店で見かけた菜々美…。
会社勤めしているだけで、あんな高級品が買える訳ないわ。
やっぱり遺産目当てなんじゃない。
嘘つき。
菜々美には、高村誠治も脇坂奏佑も渡さない。