私、あなたの何なのでしょう? 10年目の再会は愛の罠


何とか病院内で奏佑を見つけた瑠美は、祖父の具合を尋ねるふりをした。
一緒に喫茶室でお茶を飲む時間を取らせる事にも成功した。計画通りだ。

「お忙しいのに無理をお願いしてごめんなさい。」
「いえ、お祖父様の事でしたらお父様や要さんにもお伝えしていますが。」

「それが…近頃、家族が冷たいんです。」
「は?」

「父も兄も、従姉妹に振り回されて忙しくしてるみたいで…私に冷たくて…。」

瑠美はわざと俯いて、悲し気な表情を作った。

「従姉妹?」
「菜々美って言うんです。私より2歳年上だけど。」
「何かあったんですか?」

「前にも先生にお話したでしょ。お祖母様の遺産の事。
 あの人、最初はいらないって言ってたのに、やっぱり当てにしてたみたいで…。」

「私は医師ですので、そのようなご相談は困ります。」

「でも、祖父もきっと騙されているんですわ。
 彼女のウソに振り回されて、具合が悪くなったらタイヘンでしょ。」



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