私、あなたの何なのでしょう? 10年目の再会は愛の罠
その時、延原にメッセージが届いた。
「あ、奥さんだ!」
ニコニコと返信している。
嬉しそうな彼を見ながら、菜々美が郁也に声を掛けた。
「中塚もお友達を見習わなくちゃ。」
「俺より、菜々美だろ。ホントにお一人様を貫くのか?」
「そのつもり。」
「この前、ホテルで会ったドクターとかいいんじゃね?」
「まさか。私じゃあ相手にならないわ。」
「そうか?イイ感じだったぞ。」
ポンポンと冗談を交わす二人を見ながら、延原が口を挟んだ。
「君たち同期同士で、結婚しちゃえば?」
またか…良く言われる言葉で、もう慣れてしまった。
「良く言われるけど、違うんです。私達友人ですから。ね?」
菜々美は悪気はないのだろう。爽やかに微笑んで、中塚に同意を求めた。