私を赤く染めるのは

そう思ったのも束の間、「え、俺は全然おっけーだよ」ハチはそう言いながら満面の笑みで手を差し出してきた。


「で、でも」

「結月ちゃんめっちゃ遠慮するじゃん」

そう言いながらハチは私の手をギュッと掴んだ。

そして、ブンブンと縦に振る。

ご、豪快だな。


私はこの日、推しとうちの玄関で握手を交わした。

「おーい、顔がニヤけてんぞ。さっそく浮気か?」


「え、浮気って何煌!?」

さっきまで黙っていたお兄ちゃんが煌の言葉に目を見開く。

「あ、紫月さんもう時間っすよ」

「ちょ、煌話はまだ終わってないぞ!」

「じゃーね!結月ちゃん」

煌とハチ、それからお兄ちゃんは慌ただしくうちを出ていった。




昨日から色んなことが起きすぎてよくわからない。


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