私を赤く染めるのは
さよならまでのカウントダウン
8月22日
煌がうちを出ていくまで10日を切った今日、リビングで一人正座をしながら祈る私。
フーッと長めの深呼吸をしてファンクラブのサイトにログインする。
「……なにしてんの」
その様子を変に思ったのか、わざわざ隣にきて首を傾げる煌。
その目の前にそっとスマホを差し出す。
「今からファンミのチケットを申し込むの!」
今日からBijou初ファンミーティング“Hello”のチケット申し込みがスタートした。
先日、詳細が発表されたファンミーティングは県内での開催で、無事お兄ちゃんから参戦の許可が出た。
「ああ。ファンミな」
「ああって!」
「そんな祈るほど行きたいの?」
「そりゃあもちろん!何よ、もしかしてまだ私がBijouのファンだってこと疑ってるの?」
「だからあれは疑ってたとかじゃないって。つーか、そんなに行きたいのならチケット取ってやろうか」
ゴトンッー、
煌の口から出た思いもよらぬ提案に手からスマホが滑り落ちる。
そのスマホを拾うよりも先に「へっえ?」と間抜けな声が出た。