私を赤く染めるのは
電話を終えてリビングに戻ると、煌とお兄ちゃんが仕事に行く準備をしていた。
「今から仕事?」
「ああ、電話友達から?」
「うん、朱莉っていって小学生の頃からの親友なの」
「その子にも同居のこと話してないの?」
「話してないよ」
そう言うと煌は一瞬、黙り込んで何かを考える。
「そんなに仲良い友達なら隠さなくてもいいけど。なー紫月さん?」
煌はそう言うと隣にいたお兄ちゃんに問いかけた。
もちろんお兄ちゃんにも私達の会話は聞こえていて、その問いかけにうーんと天井を見上げる。
数秒ほど何かを考えたあと「煌がいいなら伝えれば?朱莉ちゃんなら大丈夫でしょ」そう返事が返ってきた。
「そんなあっさりしてて大丈夫?本当にいいの?」
私としては朱莉と煌の話ができるのは嬉しいけど……。
「紫月さんもいいって言ってるし。まぁ、結月と紫月さんが信頼できる相手なら大丈夫だろ。それに結月はBijouが困るようなことは」
「絶対にしません!!」
食い気味に答えると煌とお兄ちゃんは「さすがBijouのオタク」と声を揃えて笑った。
「じゃあ、お兄ちゃんいつなら空いてる?朱莉がお兄ちゃんにもお土産持ってきてくれるって」
「そうだなー」
お兄ちゃんがスケジュールを確認する横で「それって俺もいていいやつ?」と煌が尋ねてきた。