私を赤く染めるのは


……ということは、つまりこのままの体勢?

明かりがついた途端、腰に回る煌の手が目に入って急激に恥ずかしさが増してくる。

そんな私に気づいたのか「真っ赤だな」煌はそう言って笑った。

「う、後ろにいるんだから顔なんて見えないでしょ」

と言いつつも、顔が熱を持っていることは自分でも明らかだった。


「いや〜結月さん耳も真っ赤っすよ」

「……気のせいでしょ」


耳まで赤いのは想定外だ……。


「そういや、紫月さんすげー心配してたぞ。前々から思ってたけどあの人ってシスコンだよな」

「そうかな?」

「あ、言っとくけどお前もブラコンだからな」

「私がブラコン!?」

お兄ちゃんとは仲が良いけれど、そんなこと今まで一度も思っことがない。

「ドア開けたときのお兄ちゃぁぁぁんってあれ聞き逃さなかったぞ」

そう言うと煌は裏声で私のモノマネをする。

「そんな言い方してないし……!」

だって、まさか煌が来るなんて思わないでしょう普通は。


そんな他愛もない会話を続けたあと、「そろそろ戻るわ」と言い煌は立ち上がった。




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