私を赤く染めるのは


その夜、煌とお兄ちゃんは予定していた時間になっても帰ってこなかった。

収録押してるのかな?


この想いの正体に気づいてしまった私は落ち着かない時間を過ごして、煌の前で今までどおりできるかな?そんなことばかりを考えながら2人の帰りを待つ。




ピンポーン。

「は、はーい!」


インターホン?お兄ちゃん達じゃないのかな。


部屋にいた私は慌てて玄関まで走り、ドアを開ける。

「お兄ちゃん鍵は」

ドアを開けた先には、お兄ちゃんに支えられるような形で立つ煌がいた。

「煌!?」

煌はぐったりとしていて、顔は赤く息も荒い。
見るからに体調が悪そうだ。

おでこに触れると思わず「熱ッ」と声が出てしまうほどそこは熱を持っている。


「収録後から悪寒がするって言っててさっき病院に連れて行ってきた。とりあえずベッドに運ぶわ」


「わ、わかった」

私はお兄ちゃんが持っていた荷物を廊下に降ろし、煌の靴を脱がせる。


そして、先回りして部屋のドアを開けた。

「よっこらせっと」

自分よりも体格のいい煌を運び終えたお兄ちゃんはふーっと一息吐く。


それから、心配そうに煌を見つめる私の背中をさすり「お医者さんが一晩寝て休めば大丈夫だって言ってたよ」そう口にした。


ベッドに横たわる煌は眉間に皺を寄せながら苦しそうに眠っている。


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