私を赤く染めるのは
「ゆづ明日学校だろ?煌のことは俺が見ておくからもう寝ろよ」
「私は大丈夫。お兄ちゃんこそ疲れたでしょ?先にお風呂入ってきたら?」
「でも」
「それに私、昼寝したから目が冴えてるの」
「わかった……。じゃあそうするわ」
そう言うとお兄ちゃんは渋々お風呂場へと向かった。
私は冷蔵庫から取り出した冷えピタをそっと煌の額に貼る。
まだ熱い……。
煌が熱を出したのは私のせいだ。
ずぶ濡れのままシャワーも浴びずにいたから。無理にでも押し切るべきだった。
忙しい煌に負担をかけるなんて一番しちゃいけないことだったのに……。
私が後悔の念に包まれていると眠っていた煌は「んん……っ」声を漏らし、うっすらとまぶたを開いた。
「こ、煌?大丈夫?しんどい?」
「ん……結月?ってことはここ家か。つーか何でお前涙目なの」
そう言いながら私の頬に触れた煌の手は、まだじんわりと熱い。
「ごめん、雨の中来てくれたから。そのせいで煌が」
「……ちげーよ。たまたま疲労が重なっただけ」
「でも、」
「大丈夫だって」
そう言うと煌はゆっくりと体を起こす。