私を赤く染めるのは
「あ、何か食べる?お兄ちゃんから薬預かってるから」
「食欲あんまないけど一応食べとこうかな。明日の生放送までには万全にしたいし」
そうだ、確か明日は歌番組の日で出演者の中にはBijouの名前もあった。
「こんな状態で仕事なんて、」
とてもじゃないけど、歌って踊れる様子ではない。
「……いや、絶対治す。俺らはまだまだ積み上げていかないといけない時期なんだよ。穴なんて開けられない」
休めばいいとかいう問題じゃない。
煌のその言葉と覚悟に私はもう何も言い返すことができなかった。
作ったお粥の3分の1ほどを食べた煌は処方された薬を飲み再び眠りについた。
その様子をただ見つめるだけの私。
お風呂から出たお兄ちゃんは「俺が代わりに看てるから」そう何度も繰り返した。
だけど、私がこの場から離れることはなかった。
明け方、煌の熱が下がっていることに安堵した私はそのまま眠りについた。