ペリドットの約束
司祭を兄が受け継ぐことになったのは、その翌年のことだ。

戴冠の儀のときに、わたしは初めて色のついたガウンを着た。

寂しさから巫女たちにこれでもかというほど甘えるようになった。

母のしたように神殿の中を飾り、大好きなものをたくさん身の回りに置いた。

カーテンはレースの美しいものをつけ、
リボンで結んだ薔薇の花束を花瓶に挿した。

まくらはふわふわ。シーツは太陽の香り。

クリームスープにふかふかパン。

わたしは次第に元気を取り戻していった。

巫女たちはかわいそうな私に甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた。


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