ペリドットの約束
本来ならもっとわたしは喜んではしゃぐだろう。せっかく連れてきてもらったのに申し訳ない。

すると急にロベルトがわたしの両頬を手のひらで触った。ひんやりと冷たい。

なんだかその手の添え方が優しくて、ちょっとドキドキしてしまった。

「んー。熱あるな」

「ロベルト、せっかくの旅なのにごめんなさい」

「ん。ここを出たらすぐに宿行くから。
食欲あるか?」

「あんまり……」

「ん」
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