ペリドットの約束
わたしはさっき、ロベルトに胸がときめいたことが恥ずかしくなってきた。


「……ロベルト、あなたはイースティンの有名人なのですか?」


「んー」
とガウンの帽子をまた深く被ったロベルト。

「だから帽子を被っていたのですね」

「俺を知る人がたまたまこの街に集まってるだけだ。おでこ。お前もだろ」

そういえばそうだった。首都ではわたしはお嬢様でユリア様の生き写しだけれど、この街ではわたしを知る人はいない。
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