ペリドットの約束
父を失うと寂しく、

ひんやりと冷たく、静かな神殿は、
夜は少し怖い。

秋から冬にかけて、寒々とした中、

しとしとと雨が降っている日などは本当に最悪で、庭の柳の黒い影や、

細く尖った三日月が恐ろしく見えてしまう。

いつも夜に祈りを捧げる祈りの間は、
あまりにも静かで、
神聖だけれどどこか恐ろしさがあった。

今となっては笑ってしまう話だけれど、
かなり大きくなるまでひとりでトイレに行けなかった。


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