激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす

「んっ」

煙草の香りの中、微かに残る彼の匂いを探して、角度を変えて何度もキスをした。
途中で腰の力が抜けて彼に腰を引き寄せられ、お互い唇が離れる度にどちらからともなく身体を寄せた。

離れたくないと、唇と唇の間を糸が引いて、それが恥ずかしいのに逸らせなかった。

「今日だけで終わらせないから」

耳元で囁かれ、観念して頷く。キスで体温を上昇させていた身体は、理性を消し去った。
身体が求める香り。目の前の彼が私を狂わせていく。恋に落ちる音さえ聞こえないまま、先に落ちたのは匂い。

キスをして、ワンピースの裾を触られ、太ももが露になったらそこから手を入れてきて胸まで触れたその手に、火傷するかと思った。お互い求めあうままベッドへ沈んでいく。

「ひ、やっ」
再び太ももに伸びた手が、そのまま服を上までたくし上げる。
胸の上まで上げられ、下着姿が露になって恥ずかしくて両手で隠すと、その両手に口づけを落とされた。
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