激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす

 工房へ戻る途中、営業へ出かける石井くんと出会ってしまった。

「あ、石井くん」
「何すか?」
「キャンドルナイトって、営業何時までいるの?」

 多分宇柳さんはきっと連れて行ってくれる。
 今から二か月後と先のことだけど、先に情報を招集しておきたい。

「19時に撤収予定ですね」
「あ、早い」

 ライトアップは18時からなので、一時間だけの営業のようだ。

「あんま長々居て、カップルの邪魔したほうが好感度下がるっすからね。夜はカップルの時間っす」

 ということは、食事の後にキャンドルナイト見に行けば、鉢合わせはない。
 そう思うと、なんだはホッとした。

「婚約者と行くんっすね?」
「行かないよ」

 工房の扉を開けようとして、阻まれた。足でドアを抑えている。
 婚約者とはいかないので、嘘は行っていない。

「行くって。今、俺が居なくてホッとしてたじゃないすか。婚約者さんなら連れてきてくださいよ」
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