激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
キス、したい。けど絶対に長い。長くて、唇がしびれて、舌の感覚がなくなるぐらい吸われて、頭がぼうっとしてしまう。だから、そうなる前に言わなくちゃ。
「もう貴方で最後が良い。本当に好きだって思いました」
「……美優」
「はい」
「俺だもだよ」
くしゃっと笑ったあと、『ああ、知ってるか』と彼は笑った。
そしてようやく彼の唇が、私の唇に降りてきた。
「んっ」
好き。好き。――好き。口にするのは照れ臭いけれど、始まりは酔った勢いだけれども。
最初から、彼の温もりに包まれていた。彼の匂いだけじゃなく、そうやって走って駆けつけてくれる誠実さにも、観念するしかなかった。
私の首に顔を埋めた後、深く嘆息したあと、子どものように顔を左右に振って首に押し付けてきた。このままでは動きそうにない彼のために、私からそう問いかけた。
「モップが家で待ってますよ」
首筋に、柔らかく甘噛みされる。
「そうだな。はやく家に帰ろう」
ああ、この香り、この匂い、――そしてこの真っすぐ私を見る目。
とても興奮する。止められない。
「はやく、美優が欲しい」
独占欲、恋情。そんな様々な感情が入り乱れ、余裕のない言葉だった。
私は頷いて、少し顔を背け、首筋を差し出した。
甘い香りに誘われたのは、――私か彼か。甘い唇の感触に、零れ落ちる私の声は、――必死で彼の背中を抱きしめ返しながら耐えた。