激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
「……何?」
にやりと笑うと、クリスマスツリーに飾っていた小さなプレゼントの形をしたオブジェを掴み、私に差し出した。
「……聖さん?」
「このクリスマスツリーのキャンドルストリートは、今夜俺が貸し切った」
信じるか?
そう言われ、固まる。この男ならあり得る。やってしまいそうだ。
「そう。そうやって信じてしまう美優が、純粋で可愛いんだ。開けてみろ」
ククッと笑う彼は、今し方クリスマスツリーから取った小さなプレゼントを開けてみろと言う。まさか、そんなベタな、とか呆れてるのか期待してるのか、私も分からない緊張の中、結ばれていた赤いリボンを引っ張って解く。
中には紺色のベルベットの小さなケース。開けてみると、夜に浮かぶ星のように輝く宝石がついた指輪だった。
「こ、ここまでする!?」
「俺はする。――美優に喜んでもらうために」
握られた手を、自分の顔に近づけて口づけてきた。
「結婚しよう。俺に美優を幸せにさせてくれ」
飾りもしない言葉。なのに、宝石のように輝いて私の中に入ってくる。
臭いセリフではない。ありきたりな言葉なのに、胸が熱くて、頬が熱くて、身体が苦しかった。
「……聖さんの幸せって何?」