激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす

今にも泣き出した彼女に、狼狽えてしまいそうになったけどすぐに気を引き締めた。

「みどり、ごめんね。ママってばもう絶対に恋をしないと思ってたの。でも、今回はみどりに会ってもらって少しでも駄目だったら諦めるから」

 必死で抱きしめている女性を見て、みどりちゃんは笑っていた。
 きっとみどりちゃんはお母さんの恋人については反対していない。
 聖さんの恋人の存在が心配で家出してきてしまったんだと思う。

「初めまして。宇柳碧と申します」

 みどりちゃんを抱きしめていた女性は、玄関先で立ち上がると私に微笑んでくれた。
 年齢不詳の美女だ。
 姉も綺麗だとは思っていたけれど、碧さんは透きとおるような美少女で、今にも消えてしまいそうな儚げさがある。

 こんな美女に微笑まれたら、全世界の男の人は恋に落ちてしまいそうだ。

「はじめまして。守屋美優です。あの、聖さんとお付き合いさせていただいてます」
「ふふ。聖ってば、私のせいで恋愛に慎重な子だったのに、もう自分のプライベートに入れてるのねえ」
「ママ、テリトリーだと思うよ」
 娘にため息をこぼされ、碧さんはあたふたしていた。
 飾らないところも、見ていて微笑ましい。
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