激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
私の恋人は、結婚式場でバイトしていた時の同期で、今は子供向けの教材会社に就職している営業マン。保育園や幼稚園に訪問しているうちに、子どもが欲しいと強く思うようになったらしい。私の誕生日にプロポーズしてくれた。
営業の仕事が忙しくて、すれ違いが続いていたし、月に数回しか会えない時期が半年続いていた時だったので、私も不安から解放され心の底から嬉しかった。
カフェに入り、彼の横に同然のように姉が座ろうとしたので、私は彼の腕を掴んだ。
「彼は私の婚約者だよ」
姉は俯いて、私と彼の目の前に座った。
そしてずっと自分の指を見ている。手入れされた綺麗な爪先を。
「穂乃花さんが妊娠したんだ」
優希の言葉に数秒時が止まった。
穂乃花って誰かと思えば、目の前の姉だったのに、それぐらい気づくのに時間がかかった。
「なるほど。私たちの結婚時期と姉がかぶるってことね」
結婚式の時期をずらした方がいいと言いたいんだね。
それはきっと姉を溺愛している両親も一緒だろう。私たちを後に追いやるに違いない。
「でも順番にうるさそうなのに、意外だね。おめでとう。相手はどんな人なの」