激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
「いえ。化粧と着替えに戻ります」
可愛くない声が出てしまったけど、彼ははやく電話に戻りたいのか素直に頷いてくれた。
「電話が終わったら迎えに行くよ。部屋の番号教えて」
素直に頷いたけど、でたらめを教えた。
私の部屋から一番遠い場所。
これが最後の言葉になるとは、彼は思いもしなかったと思う。
お礼を伝えたいけど、どうしても素直にはなれなかった。
ただ部屋に戻ると、急いで帰国準備。昨日の美麻の連絡で、早めに帰れるように手配できる、あの姉と頼りない元婚約者の行動を考えて早く帰ることも視野に入れた方が良いと言われていたので、そうしてもらった。
チェックアウトして、一日早く楽園を去る。
もう二度と、こんな冒険はできないと自覚しながら、あっけなく終えた。