激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす

 招待状は家に帰ってハサミで切って、家にある彼の物を段ボールに詰め込んで、招待状と一緒に彼の家に送った。


 そして一晩中、真っ暗な部屋で段ボールを睨んで朝を迎えた。

 ああ、このままでは私は二人のせいで幸せな未来が潰されてしまう。
 バイト時代の友人たちや会社の人たちには招待状を送っていいかと伝えてしまっている。
 もうめちゃくちゃだった。徹夜で思考回路は停止。このままでは海に沈むか、優希を刺してしまいそうで精神が崩壊して吐き気がしていた。

 優希からの連絡が延々と鳴り響くので、電源を落とした。誰とも会いたくもないし会話もしたくなかった。

怠い体を引きずって向かった先は、親友の働く旅行会社。

「この額で、私が死なないような天国へ連れて行ってほしい」

 旅行会社で働いている親友の美麻には、飛び込んですぐに「姉に婚約者を寝取られた」と伝えた。

「慰謝料について相談したいなら、良い弁護士紹介するからさ。まあ、楽しんでおいでよ」

 私の面倒くさい性格を熟知してくれている美麻は、私に素敵な旅行券を渡してくれた。
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