白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 琥白さんは私の両手を握ると続けた。

「俺は、周りの人間の目じゃなくて、『ふたばが』したいかどうかを聞いてるんだ」

―――私は……。

「ふたば?」
「……考えさせてください」
「もちろん」

 琥白さんはほっとしたように息を吐いた。

「ふたば、結論は急ぐな。ゆっくり考えればいい」

 そしてそう言って優しく笑った。
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