白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 その時、
「琥白ぅー」
と愛華さんが酔っぱらったままつぶやいた。

「愛華。一緒に送るから帰るよ」

 そう優しく声をかけた琥白さんに、愛華さんは嬉しそうに抱きついた。
 それを見て、胸がツキリと痛んだ。

 これまで愛華さんが抱きつくような場面見ても、何も思わなかったのに。
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