白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 そのとき、琥白さんがクスリと笑った気配がして、「あぁ、そうだ」と何の前触れもなく口にして噴水の前で立ち止まると、

「そんな風に無理矢理唇を擦ると、切れてしまいますよ」

とこちらを振り向かずに言ったのだ。
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