白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
晴信は、テキーラを飲むと、
「で? 琥白はどうしたいの」
とさらりと聞いてくる。
そんなこと聞かれても、困る。
「どうしたいって言われても……」
「はっきりしなよ。彼女がいなくなってもいいって思ってる? 弱いものはつぶれても仕方ないって」
「思うはずないだろ! それに、ふたばはもともと弱くなんてない」
思わず声を荒げると、心底嬉しそうに晴信は微笑んだ。
「そう。なら、安心したよ」
「前は、小さい時はバカみたいに頑張って、泣いて……そのあと、すごく楽しそうに笑ったんだ。あんな顔してるやつじゃなかった。……あんな顔して毎日過ごしてるのが気に食わない」
「ふうん」
それを聞いて、晴信は口端をあげた。
「なんだよ」
(なにニヤけてるんだ……)