白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
少し前まで、琥白さんは愛華さんと一緒になったほうが幸せになるって思ってた。
でも、今はわがままに、それは絶対いやだって思ってる。
私が琥白さんの隣にいて、琥白さんのことも幸せにできたらって思ってる。
「言っただろ? パリに行くまで、最後まではしない」
「ええっ……」
泣きそうな顔で、というより、泣いて琥白さんを見ると、琥白さんは微笑む。
「ふたばが俺を欲しがってくれて、嬉しい」
そう言いながら何度も口付けて、私に触れて。
でもその日も、私たちは最後まですることはなかった。