白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
その後、当たり前のように琥白さんは、私と食事を取り、チェックアウトの準備を手伝うと私をタクシーに押し込み空港に向かった。
飛行機に乗り込むと、ファーストクラスの並び席が予約されている。
席に着き、飛行機が飛び立つと、思い出したように琥白さんが口を開いた。
「それにしても、もともとの航空券、エコノミーを予約されていたんですね」
「え? あ、あぁ……そうですね」
これは兄に会いに行くのに、あまり人目に触れたくなかったからだ。
今回は友人の結婚式という大義名分があったけど、ついいつもの癖で、エコノミーを予約してしまったのだ。
そんなことを知らない琥白さんは当たり前のように、
「今度から旅行されるときは、チケットはこちらで取らせてください。もちろんホテルも」
と言う。
「……え、っと……」
私は思わず言葉に詰まる。
兄に会いに行っていることは琥白さんにももちろん知られたくないし、知らせるつもりはない。
琥白さんは目を細めると、
「いいですよね?」と有無を言わさない声で言った。
「もちろん」
私は微笑んで言う。
(まぁ、隠れて航空券を取ればいいだけだわ)
そう思ったとき、ふいに両手が握られる。
驚いて琥白さんを見ると、琥白さんは私を見ていた。