白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 ふと気づくと、琥白さんが目の前のデスクの後ろに立っていた。

「ふたばさんのデスク、随分すっきりされていますねぇ」
「そうですか?」

 私は話し半分に聞きながら作業を進めた。
 結局30分くらいで作業は終了し、息を吐く。

 パソコンを閉じたところで、琥白さんに頭を下げた。

「お待たせして申し訳ありません」
「いいえ、私が勝手についてきただけですから、お気にせず」

 鞄をもって歩き出そうとすると、突然琥白さんに腕を掴まれる。
 驚いて振り向くと、

「なんです……んんっ!」

 振り返ったと同時にキスをされる。
 そして、そのキスは、頬に、首筋に落ちてきた。

 こんなことされたことなくて、慌てて身をよじって腕を伸ばし、琥白さんと距離を取ろうとする。
 しかし、全く距離はできなかった。

「琥白さん! やめてください!」

 そう言っても、琥白さんは全くやめてくれる気配もなく、私が琥白さんの胸を押す手も絡め取ると、そのまま首筋に、鎖骨にまでキスを繰り返す。
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