白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 全部熱い。身体も顔も頭の中も全部。
 ぼんやりする頭の中では大きな警笛がなるのに、身体はいうことをきかずその場に足とどまる。

 それをわかっているのか、琥白さんはやめてはくれなかった。

 なんだか、このままだと自分がおかしくなりそうな気がして、目をぎゅうと瞑る。次の瞬間、ジクリと首筋に痛みが走って、驚きと刺激で足の力が抜けて座り込んだ。

 琥白さんは、その場に座り込んだ私と同じ目線の高さに屈み込んで、やっとそれをやめてくれた。

(え……ちょ、なに? なんなの……? 急にこんなとこで発情するとか、この人、頭おかしい!)

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