白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 私は涙目で自分の首筋を抑えながら、
「な、なにするんですか! 突然、こんなところで! おかしいですよ!」
と思いっきり叫んだ。

 琥白さんはまったく反省もしていないそぶりを見せ、

「こうすれば、ここで仕事するたび、思い出してもらえるかと思いました」

ときっぱり言った。

(はぁ……⁉︎)

 できることなら、琥白さんの顔を下から上まで舐めるように見上げて、睨みつけてやりたい!
< 57 / 232 >

この作品をシェア

pagetop