白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
4章:やっぱり知りたくない
「琥白さん、離してください」
少しして私がそう言うと、琥白さんはそっと私の両腕をもって身体を離す。
でもなにも言ってくれなくて、私はそんな琥白さんに戸惑っていた。
「あの……?」
「……もう隠すのも、駆け引きも面倒だ。決めた」
「決めた……って」
「ふたばが俺から婚約破棄させたいように、俺はふたばと絶対に結婚する。それで、ふたばが『俺が欲しい』って本心から言うまで諦めないと決めた。覚悟しろ」
(突然何言いだした! しかも、言葉遣いまで乱暴なままだし!)