白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
 私はブスっとしながら琥白さんと家に帰り、先にシャワーでも浴びて頭を冷やしてこい、となぜか命令口調の琥白さんをギリッとにらむ。

 とはいえ、確かに少し頭を冷やしたほうがいいだろうと、先にバスルームに入った。
 そしてシャワーを頭からかぶると、頭がすっきりしてくる気がする。

 しかし……

「なによ! あの二重人格は!」

 結局琥白さんへのイライラは止まらなかった。
 なんで、急に乱暴な言葉遣いになってるの?

 それに、『俺に嵌っても、なんの問題もないだろ』って、あるわよ! ありすぎるわよ!

「琥白さん、仕事でもあんな感じじゃなかったはずだけど……びっくりした」

 とふと考えて呟くと、結局琥白さんに振り回されている気がして、解せなかった。

「いや、わかってた。わかってたもん! 昔は琥白さん、あんな感じだったし!」

 そうだ。私は琥白さんの事知っていた。
 昔の不遜な態度。結局中身はあのままだったということだ。

 それを琥白さんは、仕事でも私の前でもずっと隠してた。

ーーーなのになんで今更……。
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