白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
その時、後ろにいた琥白さんが当たり前にように首筋にかみつくようなキスをした。
「……ちょっ……! 何してるんですか!」
「目の前においしそうな首があったから」
「あなたは吸血鬼ですか!」
叫んでみたものの、琥白さんは全く辞める様子もなく、そのまま、耳朶まで唇を這わせて甘噛みする。
そしてそのまま耳の中に舌が入り込んだ時、私はその熱に絆されそうで、目をぎゅうっと瞑った。
「ちょ、琥白さん、ホントに……! もうやめて……!」
私が泣きそうになりながら言うと、琥白さんは少し止まって、私の身体を解放してくれた。
「そうだな、もうやめておかないと我慢できなくなる」
「我慢できなくなるって……! ぜ、絶対我慢してくださいよ!」
私が怒って振り向くと、真剣な顔の琥白さんと目が合う。
「ごめん。俺は、いつも、すぐにでもふたばを抱いて、ふたばを俺のものにしたいと思ってるんだ」
その真剣な声に、様子に、目を反らせようとしたけど、なぜか反らすことができなかった。
(やめてよ)
「そんなこと、なんで言うんですか」
「ごめん、少し焦ってるのかもしれない」
琥白さんはそう言って、私の頭を優しく撫でると、そのまま私を向かい合わせにして次は優しく抱きしめる。
「……でももう少しだけ、こうさせて」
なんなの、この人は。
考えていることが全く分からない。
からかっているのか、本当に本音を言ってるのか。
私はそれが少し知りたくなって……でも、やっぱりそれは知りたくないと首を振った。