白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
 琥白さんは私を見ると、

「ふたば。週末、時間取れるか? できれば泊りで行きたいところがある」
「え? 泊り?」

 胸がドキリと鳴る。
 泊りってことは、旅行だ。婚約破棄する予定なのに、旅行なんて行っていていいのだろうか……。

 思い悩む私に、
「何か問題ある?」
と琥白さんが問う。

 私は、いいえ、と首を横に振っていた。
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