白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 私は仕事を終え、あるところに寄り、家に帰ってきてから非常に後悔していた。

 手に提げている紙袋を見て、

「いや、ただのお礼。違う、私が食べたかっただけ!」

 言い訳を繰り返し、ぶつぶつ言っていると、

「ただいま。一人でなに話してんだ。妙な奴だな」

と琥白さんが帰ってくる。
 その声に、別に悪いことは何もしていないのに、身体が数cm跳ねた。
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