白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 緊張して身体が固くなるたびにキスをされて、身体から力が抜けると、琥白さんは嬉しそうにさらにそこに触れて、私の顔をじっと見てくる。そうされると、恥ずかしくて私は目をぎゅう、と瞑ってしまった。

「ここ、誰かに触らせたこと、ないよな?」

 琥白さんの声が耳元で低く響く。私は夢中でこくこくと頷いた。

「そ、んなのない……あっ!」
「その割に反応すごくいい」
「ひゃっ……! や、もう、やだっ」
「ごめん、もう少しだけ。きちんと教えておきたいから」

 その言葉の意味も何も分からないまま、琥白さんの右手が太ももにおりて、私は身体をビクンと震わせた。そのまま下着に手が伸びてそこにふれると、私はとっさに手を伸ばして琥白さんを押した。

「やっ、こ、琥白さん、だめ!」
「なんで?」
「だってっ……こわいっ……」

 パニックになって首を振ると、琥白さんは手を止めて、私の両手をそっと握った。そうされると、なぜか急にほっとして、潤んだままの瞳で琥白さんを見つめる。
 すると琥白さんはいつも以上に優しく目を細めて微笑んだ。

「大丈夫、俺は絶対にふたばを傷つけない。ふたばの前からいなくならない。だから目を瞑らずに俺だけ見ておけ」

 そう言って、またするりとそこを撫でられる。

「早く俺が欲しいって言ってくれないか」

 触れられるたびに反応する身体が最初は恥ずかしかったのに、結局、何度も何度もキスを交わしながら、感じたこともない感覚を刻みつけられた夜になった。
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