白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
8章:提案
それからも琥白さんは、当たり前のように毎日朝起きたら寝室で仕事をしてて、夜も私が眠るまでそばにいた。
何度もキスされて、少し触られることもあって……それでも全力で拒否できない自分がいて……。私は自分で自分が嫌になっていた。
―――どうにか軌道修正しないと。
頭ではそう思うのに、琥白さんを浮気させることはもうできないのではないかと感じることも増えていく。
そして、日々は過ぎていき、気づいたらもう土曜になっていた。
私はその日、行先もわからないまま、琥白さんの運転する車の助手席に乗り込んでいた。