Extra Fight集 〜年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません〜

ランドホテルで、誰もが泊まりたいと1度は願う……プレミアムな部屋。

「どう？」
「いや、どう？って言われましても……」

なんで。
どうして。
頭の中では、この２語だけがぐるぐる駆け巡っている。

「どうせ、くだらないことでも考えてたんでしょう？」
「え？」
「ランドでデートすれば、別れるとか？」
「ど、どうしてそれを……」
「そんなことはどうでもいいとして」

加藤さんは、ぐいっとキスしそうな程顔を近づけてきて

「僕が君を、１回や２回の喧嘩で手放すと、本気で思ってるの？今日また、君の体に教えてあげないといけないのかな？」
「……いえ、それは……残業決定なのでやめてもらいたいです。おうち返してください」
「じゃあ君の家で」
「ご勘弁ください」
ちなみに、私の家には、あの日以来1度も、加藤さんを招待しては、いない。